昨年の夏、撮影中にカニを見つけた少年。
初めての遭遇に、捕まえたいけど、さわれない。
そして、少年の目はカニの方に向くばかり。
撮影はちょっと中断。
カニを捕まえないと少年は落ち着かない。
すぐに、一緒に来ていたお父さんが、なんなくカニを捕まえ、少年にカニの持ち方を教えていました。
その後の撮影では、少年の手はカニを掴んだままなのは言うまでもありません。
撮影を終え、二人で遊ぶ親子。
手を繋いだお父さんの優しい左手が印象的です。
いつにもまして大きく見えるお父さんを、尊敬する様子が少年から伝わって来ます。
「なんでもない普通の日を撮りたいなあ」という気持ちで始めた撮影だけど、
父が大きく見えた日。
父を尊敬した日。
父の教えの日。
そんな素敵な記念日に遭遇できた気がします。
なんでもない普通の日には、お宮参りや七五三に負けないくらいの記念日が隠れています。
何気ない出来事なのに、いつまでも印象に残っていることって、あなたにもありませんか?
さらに、その印象があなたを彩っていることってありませんか?
この少年のように、子供たちはたくさんの印象を積み重ね、成長していきます。
もしかして、あなたも家族写真を撮る日、素敵な出来事と遭遇するかもしれませんね。
家族写真家 佐々木宏和