「この車はカーブを我慢しなくていいんです」
撮影の合間にお父さんが熱く語る。
「保守的な偉い人たちを奇跡的にすり抜けて、生産にこぎつけたんですよ」
「C-HRは本当にいい車なんです」
5年前、このC-HRの生産工場を立ち上げるために、
お父さんは家族を連れてイスタンブールに渡った。
治安が悪くて怖かったこと、
ヨーロッパ旅行が簡単に行けて楽しかったこと、
一時帰国で撮影する度に、聞かせてくれる話が僕の楽しみでもありました。
そして、
お父さんのプロジェクトが終わり、家族は帰国して来ました。
小学生だった姉弟は、春から高校生と中学生です。
いろんなことを感じられる年頃に、異国での生活や美しい風景に触れた二人は、
たくましく成長していました。
ネットの評判では、C-HRはとても売れているらしいです。
中心で携わってきた仕事が、世の中に受け入れられることは最高ですね。
今年の家族写真は子供たちの入学よりも、お父さんの達成感がキラキラ光っています。
「カーブを我慢しなくていいんです」
お父さんが熱く語っていた時、
僕は、「このままCMに出たら、みんな欲しくなっちゃうだろうなぁ」と、
別のことを考えてしまいました。
お父さん、お疲れ様でした。
_____家族写真家 佐々木宏和