毎年の家族写真、
今年は次男の就職の記念に。
この写真の主役は息子でもなければ母親でもない。
父親だ。
ぼくとつとして、仕事一筋の真面目な父親。
昨年、定年退職した父親は次男の就職を迎え、
二人の息子を立派に育て上げた。
この出来事を父親はどう思っているんだろう?
撮影の時には感情を顔に出さない、
毎年同じ顔の父親を主役に撮ってみたかった。
父親のぼくとつさを壊したくなくて、僕は何も言わなかった。
その代わり母親を誘導し、息子たちの笑顔を引き出した。
母親の喜びと、息子たちの希望。
それでも毎年同じような父親のぼくとつとした表情。
この対比が僕の胸を打つ。
父の思い。
僕はこの写真を見てただ想像するだけだ。
佐々木運真