その2 愛情表現
あなたはパートナーと結婚して、子供を授かりました。
そして子育ての時期を送る時、その大変さや仕事の忙しさで、最初は一緒にいるだけでトキめいてたのに、それが当たり前になって忘れてしまう。
家族の中でそれぞれの役割に追われ、すれ違うことも多くなってしまう日常。
ほんとは幸せいっぱいなのに、照れくさくて言えなくなってしまう。
腕を組んで歩きたいのに、人目が気になってしまう。
もっとパートナーに甘えたいのに遠慮してしまう。
心の中はいつも、愛情でいっぱいなのに・・・。
毎日いつもの役割をこなすうちに愛情が心の奥に引っ込んで、蓋をしてしまったようです。
日常は、こんな風に感情を固めてしまうものでもあるのです。
でもこの蓋を開けるきっかけが家族写真にあるのです。
家族写真を撮るとき、僕の撮影の大半は家族の気持ちをほぐし、その人らしい愛情表現をしてもらうことに費やします。
日常で固まってしまった感情をほぐしていくのです。
例えば4人家族の撮影のとき、パパとママへのアプローチはこんな感じです。
二人を先に配置して、子供達にパパとママのことをちょっと眺めてもらう。
二人で並んでいるところを子供達に眺められると、みなさん照れ臭くなってしまうのですが、その照れ臭さが感情を緩める始まりになるんです。
そして、いつもの距離とは違う、肩が触れ合う距離まで近づいてもらう。
手を繋いでもらう。
「相手の存在を感じて」と呼びかける。
重心の位置、顔の向きなど、相手を思いやるような表現を伝える。
それが写真表現と関係ない場合でも、あえて愛情表現のきっかけのために
こんな感じのアプローチをしていきます。
その家族は照れながらも撮影が進むにつれ、何かを思い出したように、
感情が緩んでいくのです。
そして、やらせではない家族らしい愛情表現を見せてくれるのです。
スタジオという日常とは違う空間で「カメラマンが言うからしょうがない」って感じで撮られていると、日常を送るうちに閉めてしまった蓋が少しづつ空いてきて、
最後には、心の中の愛情を思い出して、その愛情に降参してしまう。
これが家族写真の撮影です。
お互いの愛情を感じるきっかけなのです。
撮影を終えた家族の表情は柔らかく、来た時より個性的で、魅力的に見えます。
日常で頑張れば頑張るほど、あなたの感情が固まってしまうのは自然なことだと思います。
でも、肩こりをマッサージでほぐすように、たまには家族写真で感情をほぐし、
その時だけは遠慮や人目を気にせず「愛情表現」をする、そんな心のリハビリがあなたにも必要だと思うのです。
娘の人見知りがとても心配だった私の気持ちを他所に、撮影はとても楽しく進み、文字通りあっという間に過ぎてしまいました。
実は夫婦喧嘩をしたまま迎えてしまった撮影当日でしたが、手をつないだり微笑みあったりしているうちに気持ちが和らいで来て、帰りには仲直りする事ができました。。。
娘の成長と共に、これからは家族でぶつかり合うこともあるかと思いますが、家族写真を見ながらこの気持ちを思い出し、和みたいと思います。
お客様の声より