僕は息子たちが生まれる前は3人姉妹の父親になることが夢でした。
でも今となっては叶わぬ夢となってしまいました。笑
息子たちは元気に育ってくれて男の子の良さを十分与えてくれるので、今ではとても幸せなのですが、たまに娘を持つ父親をちょっと羨ましく思ってしまいます。笑
場所見知りと人見知りで、アトリエで撮影できなかった2歳の女の子がいました。
泣いてしまってママにうずくまったまま顔を上げてくれなくて撮影どころではなかったのです。
そんな女の子を翌年、公園で撮ることになりました。
撮影できなかった去年と比べ見違えるほど元気に成長していた女の子は草の上を駆け回り、笑顔でカメラに向かってくるほどでした。
人見知りだった女の子がこういう変化をすることはよくあるのですが、その度にいつも僕は仲良くなれた気がして嬉しくなってしまいます。
「僕だから懐いてくれるんだな」って都合のいい勘違いをしてしまうので。笑
そんな撮影の合間、ママが持っていた水筒のお茶を飲んでる様子を僕は少し離れたところから眺めていました。
女の子は飲み終わった水筒の蓋をママに返し、隣にしゃがんでいたパパにもたれてちょっと休憩です。
その二人の後ろ姿がなんとも言えず自然でとってもよかったんです。
男の子だったらそこまで感じなかったのかもしれません、女の子の風になびく髪の毛や赤い服が、むかし僕が憧れていた光景と重なって
「うちも女の子が欲しかったなあ」って気持ちが少し蘇ってしまいました。
女の子が無垢な信頼を寄せてもたれかかる、パパの背中が優しくて、僕がちょっと羨ましくなる瞬間でした。
家族写真家 佐々木宏和